2012年8月13日月曜日

The Cats & The Fiddle / I Miss You So

 The Cats & The Fiddle / I Miss You So
Jumpin' jiveファン、swingファン、 そしてリンディーホッパーなら知らない人はいないであろうバンドキャッツ&ザ・フィドルのレコードをやっと入手しました。
名前は知らなくても思わず踊り出したくなるような曲を聴けば必ずあ〜、あれねっ!
って納得するバンドです。
日本でもリュージ&ホット・クラブやバロンくん、その他多数のミュージシャンがカバーしています。
1976 RCA Records AXM2-5531

この2枚組のアナログは彼らの唯一のLPレコードで(多分)ネットでみかけても大体6000円〜10000円の値段がついていて、それでもsold outになっている場合が多いです。

内容は、1枚目のレコードが1939年に録音された曲で構成されていて、
A面の一曲目の "GANG BUSTERS"から "MR.THYTHM MAN" "WE CATS WILL SWING FOR YOU" などなどお馴染みの曲が満載。

ライナーによると、1939年、彼らはシカゴの有名ブルースギタリスト、タンパ・レッド(Tampa Red)の紹介でRCAのレースレコード(race records)担当のレスター・メルローズと知り合ってデビューしたらしい。
バンドリーダーはAustin Powellで彼が殆どの曲を歌って、かなりの曲を作っている。
他のメンバーは、ギターのJimmie Henderson、ベールはChuck Barksdale, ティップルという楽器(10弦ギター?)で主なギターソロを担当するErnie Priceの4人組。
しかし4人でここまでリズミックでポップでタイトなビートが醸し出せるのがホントに凄い。

2枚目は1940年〜41年の曲で構成されていて、この時期のメンバーは、
 ギターのJimmie Hendersonの急死の後をうけて、1940年にHebie Milesが加入し数曲録音。
1941年には、ギターはかのLloyd "Tiny" Grimesに交代。
Tiny Grimesの作った小粋なバラード "I'LL ALWAYS LOVE YOU JUST THE SAME"は
菊地成孔氏も"HOT HOUSE"でカバーされています。

詳細はこの裏ジャケットのデータをご参考ください。














そしてこちらはメンバーの写真。
下がオリジナルメンバー。













バンドは、アメリカが第二次世界大戦に参戦して、リーダーのAustin Powellが徴兵されてたことから自然に消滅することになる。

戦争から戻って、Austin Powellはブルックリンでジャズコンボを率いて1960年代まで
音楽活動を続けていたようだが、jazzの表舞台からは遠ざかっていったようだ。

以上は、レコードのライナーから拾って紹介してみました。

このタイプのバンドは1930年代中期には沢山いたそうなんですが、
音源として残っていて、ここまでのクウォリティーとポップ感のあるバンドは、
今のところ、先輩格にあたる Teddy Bannを擁する"Spirits of Rhythm" 。(後期にはLeo Watsonも参加)と"Slim & Slam" くらいしか思い当たらない。

以下はThe Cats & The Fiddleの曲で踊っているリンディーホップのパフォーマンス映像です。
こちらは "WHEN I GROW TOO OLD TO DREAM"で踊るDax & Aliceの素晴らしいパフォーマンスです。



こちらは私達がとりあげた(手前味噌ですみません) "MR.RHYTHM MAN"でのパフォーマンスです。